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それから、わたしと大和くんの間のガラスの壁がとれたみたいに普通に話し始める。会社のこと、趣味のこと、恋愛のこと。大和くんはそんなとりとめもない話を真剣に聞いてくれる。だんだん、わたしと彼との距離が近づいていく。なんかここがSMバーだってことは忘れてしまうくらい・・・。
「そうなんだ・・・」
わたしの目を見て微笑む大和くん・・・。その端正な顔を見てると、抱かれても・・・うぅん・・・奴隷にされてもいいって思ってしまう。
「うん・・・でもつまらないよねっ・・・わたしの話って・・・・」
「そんなことない・・・まわりに美佳さんみたいな子いないから・・すごく新鮮だよ。」
「うん・・・ありがとう・・・・」
潤んだ瞳で大和くんを見つめる。こんな人に調教されたら・・・そんな妄想が頭の中を駆け巡る。鞭で打たれ、縛られ、そして大和くんに貫かれるわたしを想像してしまう。もうわたしは大和くんに身体を寄せてもたれるようにしている。お酒はのんでないけど、彼の雰囲気に酔ってしまう。その、二人の世界を破るように明るい声・・・。
「わりい・・・おくれちゃった・・・・」
顔を上げると、大和くんとはまた違った美形。うん、もっとワイルドな感じ。そして、わたしの横に座る。大和くんと彼に挟まれるような位置。交互に彼らを見る。
「おそいよ・・・聖・・・」
聖さま????
「ちょっと手間取っちゃって・・・」
「まあ・・・いいけど・・・もう8時半だぜ・・・」
「ところで真由美さんは?」
大和くんが指でむこうのソファーを示す。そこには数人の男性に囲まれた真由美さん。
「なんかよびだされたんだけど・・・会わせたい人がいるとか・・・・」
「それなら・・・俺が紹介するよ・・・」
大和くんがわたしの顔をいいって言うように見る。わたしは小さくうなづく。
「こちら・・美佳さん・・・」
「あっ・・・そうなんだ・・・・」
聖さまがわたしの顔を覗き込む。そして微笑む・・・甘いマスク・・・大和くんがいなかったらもうイチコロだったかも・・・。
「あの・・・美佳です・・・・いつも真由美さんのブログ見てます・・・」
「もしかしてMIKAさん???」
「はい・・・・」
「コメントとかよく書いてるね・・・・」
「うん・・・・」
「聖です・・・よろしく・・・・」
聖さまが手を出す。そして私の手をつつむ。
「わたしも・・・よろしくおねがいします・・・」
さすがカリスマホストって感じ。第一印象が違う・・・大和さんがいなかったらクラッってきてたかも・・・。
「でも・・・かわいい子だねっ・・・」
「ちょっと・・・聖・・・・・話あるんだ・・・・」
大和さんが指でむこうをさす。大きな手・・・やっぱかっこいい。
「わかった・・・・あとでねっ・・・・」
大和さんと聖さまが向こうへいく。聖さまが振り返ってウインクする。ぜんぜん嫌味な感じがしない。壁際で話す・・大和さんと聖さま・・・。何はなしてるんだろ・・・・。わたしもこの間に化粧でもなおそうかなっ・・・・。わたしは、2人を横目で見ながら席を立った。
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