09
言葉も出ないわたし。
俯いて、座っているしかない。
「浣腸をして感じるなんてな」
「本物のマゾですな」
「こんな淫乱なマゾはちゃんと調教してやらなあきませんな」
口々にわたしのオナニーに感想を言う。
誰がこんなビデオを取ってこの人たちに渡したの。
ビデオが終わり、男たちはこちらを見る。
その目はさっきの紳士的な彼らではなく。
男の目となっている。
それも、弱いものをいたぶることを嗜好するサディストの目。
「そしたら、はじめましょか。美樹はん、そこに立ってもらえまっか」
わたしはのろのろと立ち上がる。
どうすればいいの?
逃げたほうが…
目を泳がせるわたし。
「美樹さん、逃げるなんて考えないほうがいい。
あのビデオが広く流されることになる。
それから、我々を敵にまわしたら、まあ、ビジネスの世界ではやっていけないと思ったほうがいい。
ポット出の会社なんて、簡単に潰すことができるんですよ」
中山先生がすごみのある低い声で言う。
震え上がるような迫力。
黒い噂の絶えない政治家。
裏の世界との関係も匂わせている。
「しかし、わたしたちの言う事を聞くのなら、悪いようにしないから。
まあ、美樹さんの嗜好にも合うと思います。
ビジネスと割り切っていただいても、損な話ではないと思いますよ」
優しい声でいう石津。
わたしの選択肢はなくなっていく。
この人たちの奴隷になるしか。
「まあ、きばってわしらを楽しませておくれ。
わしらが気に入らんかっても同じことやからな。
この前のポット出のアイドルの子。
なんやったかな」
「ああ、あの子ですか?」
「そうそう。嫌がって嫌がってしゃーなかった子や。
あの子にげたやろ?」
「せっかくトップアイドルにしてやろうとしたんですがね。
残念なことに鬼島組に追いかけさせて、そのまま奴らに始末させました。
かわるがわる一晩中犯されて、外国に売られたらしいです。
我々の秘密を知ってしまったら、そのままっていうわけにはいきませんからね」
「美樹はんはそんなアホやないわな」
齋藤会長の目が鋭く光る。
彼らの会話に脚が震える。
それくらいの力は持ってそうな人たちだ。
「では、脱いでもらいましょうか」
「そうだな。脱いでもらおうか。全部な」
中山先生がわたしに命令する。
わたしは周りを見回す。
でも、彼らの様子から、冗談やドッキリなんかじゃないってわかる。
わたしは観念したようにゆっくりと薄いブルーのブラウスのボタンを震える指ではずしはじめた。
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