08
宴もたけなわって感じで、わたしは聞き役に徹する。
おじさんたちの話って、すごい別世界っていうか、わたしたちの考えと次元が違うって感じ。
それから、こういう人たちってお金に関する感覚が違う。
たぶん、ITって良くわかっていないと思う。
でも、ビジネスに関しての嗅覚はすごい、わたしの言葉に対する意見も鋭いところを突く。
「では、そろそろ次の勉強会に入りましょうか?」
中山先生の言葉に、みんな頷く。
「こっちが今日の本題やからな」
次の勉強会って?
齋藤会長が手をたたくと、隣の部屋のふすまが開かれる。
となりの部屋、そこは同じ和室なんだけど、少し薄暗く、朱塗りの柱やむき出しになった梁がある。
土蔵のような感じ。
こんなところで勉強会って。
「じゃあ、美樹さんもこちらに」
3人は腰をあげて、隣の部屋に移る。
わたしも、わからないけどついていく。
部屋の真ん中にはソファーがあり、次々とそこに座る。
わたしも、促されるままソファーに座る。
ここのお店はバーも兼ねてるの?
ここで2次会って感じなの?
「では、今日のメインディッシュといきましょうか」
3人はわたしを見る。
「しかし、これだけの美人を調教できるなんてね」
「そうやな。この前の女優。なんて言ったかな。
せっかく取り立ててやったのに、薬におぼれよってな。
新しい奴隷を探してたんやが、こんな別嬪さんがお相手してくれるとはな」
「今度の奴隷は真性みたいですな。ビデオで見ましたが、なかなか」
何の話???
何言ってるの???
奴隷とか、調教とか。
まさか。そんな。
女将さんが、おおきなモニターを操作する。
そして、画面に映し出される映像。
鼻にかかった甘い声を出して、足を開いて秘部をいじる女。
それは、深夜の社長室でおこなわれる私の痴態であった。