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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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 わたしはデジャヴに見舞われる。真由美さんのお話で想像したとおりだった。
 深い赤に統一された空間。中央に丸い形のカウンターがあり、それを囲むようにボックス席が3つ並べられている。そして、4つ目のボックスのあるべきところには、小さな丸い舞台。ライトが取り囲んでいるが今は消されて薄暗い空間になっている。でも、そこにいろいろな責め具がならんでいるのがわかる。開脚台、上から垂らされた鎖、X字に組まれた木、木馬のようなもの。壁に掛かっているのは、何本もの鞭、長いものは丸く結わえて掛けてある。他にもいろいろな道具がステージの上のトレイにあり、淫靡な空間を演出していた。
「あの、MIKAさまですね。」
 男の深い声にわたしは我にかえる。
「えぇ・・・」
「真由美さんが御待ちですよ。」
「はい・・・」
 黒服の上品な中年男性の目線を追いかける。そこには、赤いチャイナドレスの女の人。わたしの方に目を向けると、ニコッと微笑む。そして、手を振る。わたしは、真由美さんの方へ歩き出す。震える脚と飛び出そうな心臓。
「あの、美佳です。」
 近くに行って真由美さんの前に立つ。真由美さんをチラッと見る。想像通り、うぅん想像以上に綺麗な人。
「はじめまして、真由美です。」
 上品にスツールから立って礼をする。わたしもあわてて頭を下げる。がさつな子に思われたかな。真由美さんの反応を確かめる。でも、真由美さんの表情は変わらないで、すごくやさしい笑顔。
「思ったとおりかわいい人。初めて会った気がしないわ。」
「はい。わたしも。」
 ちょっと緊張が解けたのかわたしも自然な笑顔を返せるようになった。
「あっ、ごめんなさい。そこに掛けて。マスターなにか作ってあげて。」
 わたしに隣のスツールを案内する。
「はい・・・・」
 バックをカウンターに置いて、真由美さんの隣に腰をかける。脚がブラブラする高さの備え付けのスツールだ。
「何にする?」
 大きな瞳でわたしの顔を覗き込む。わたしでもドキドキしてしまう。男の人を虜にしてしまうのわかるような気がする。
「あの、分からないけど、あんまお酒強くないし。」
「じゃあ、任せてくれる?ノンアルコールのカクテルがあるの。」
「うんっ・・・」
「マスターあのカクテルをお願い・・・」
「はい・・・真由美さま・・・」
 さっきの中年男性が優雅なボーズで飲み物を作り始める。いろいろな瓶に入ったカラフルな液体をシェーカーに入れて、蓋を閉めて振りはじめる。
「でも、真由美さんの文章ってすごいです。わたし、ここに初めて来た気がしないです。」
「そうなの?そういってくれると嬉しい・・・・」
「あのステージも小説に出てくるし、このカウンターも・・・」
「うん、他のところが舞台のときもあるけどここが一番多いよね。」
「でも、今日は真由美さんに会いに来ただけなの。プレイとかは・・・」
「うん、わかってる。ここでは何も強要されないの。自分が望んだことしかされないから大丈夫よ。」
「それから、今日は誰がくるんですか?」
「もしかして聖くん?」
「うん、一度会ってみたいなって・・・」
「じゃあ、呼び出しちゃおうか?」
 いたずらな笑みを浮かべる真由美さん。携帯を手に取る。
「あっ、いいです。そこまでしなくても。」
 でも、真由美さんの手はとまらない。何度か操作した後、携帯を耳にあてる。
「聖くん・・・・」
「はい・・・真由美です・・・今日来るの?」
「はい・・・会わせたい人いるの。」
「プレイはたぶん出来ないかな・・・」
「はい・・・・わかりました・・・はい・・・・」
 携帯をたたむ真由美さん。そして、わたしに微笑む。
「彼ね。本当は聖くんっていうの。今日は8時過ぎになるって・・・・」
 あっ、そんないいよ。それに会わせたい人って私のこと?顔が真っ赤になる。でも、NO1ホストって一度会ってみたい。絶対、日常では会えないもん。うん、ただそれだけ。それに10時くらいなら大丈夫だし。
「うん・・・」
「シャーリーテンプルですが、ちょっとわたしのアレンジしたものです。」
 目の前に綺麗な飲み物が置かれる。ルビーのような赤の飲みもの。わたしは照れ隠しするように少し口をつける。本当に宝石を溶かしたような甘くて上品な味。真由美さんの言うとおりアルコールは入っていない。でも、雰囲気に酔ってしまいそう。
「じゃあ、乾杯しましょう。」
 あわてて、口から離す。本当にわたしってあわてものだよ。真由美さんがクスクスわらう。
「じゃあ、素敵な出会いに・・・乾杯・・・」
 真由美さんのグラスと私のグラスは重なり合い。とてもクリスタルな音色を立てた。

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