7
☆
彼とわたしの沈黙をやぶるようにガヤガヤとしゃべり声がする。ドアが開くと原本が入ってくる。それだけでなく、彼らのとりまきが2人ついている。
「雅則、ごくろうやな。」
「あっ・・・先輩。ちょっと直美が暴れるもんで・・・・」
雅則はわたしのおなかに乗せた足を降ろす。ばつ悪そうに原本を見る。原本は雅則を押しのけるようにして、わたしの顔を覗き込んで、少し微笑む。口元を吊り上げたその微笑は悪魔のような残忍さを思わせる。
「うん・・・うぅ・・・・」
わたしは背筋が凍るような恐怖を感じながら、助けてって言う。
「たしかに直美ちゃんやな。ほんまにええかっこうや。」
わたしの体に手を這わせる。とりあえず胸をつかむ。
「うぁ・・・あっ・・・」
背筋に電流が走る・・・動けない格好で背筋をそらせる。それほど、キモイ。こんな格好ですきでもない人に・・・。まぶたを閉じると涙が一筋押し出された。
「感度もよさそうやな。ええ奴隷になりそうや。」
「1年でナンバーワンの直美ちゃんを調教できるなんて夢みたいですね。」
よだれがでそうな顔でとりまきの一人が言う。雅則以外の視線がわたしの身体をなで始める。
「でも、大丈夫ですか。訴えられたりとか・・・」
「大丈夫や。この前のOLもそうやったやないか。最初は抵抗するけど、ちょっと調教したったら、すぐに腰ふって喜ぶにきまってるわ。それに、雅則。この女、自分から脱ぎよったな。」
「はい・・・ちゃんとビデオにとってありますよ・・・・」
ビデオ・・・嘘・・・・。
「じゃあ、和姦やな。それに・・・ククッ」
原本の指がわたしの下半身に這っていく。そして、今はぴたっと閉じている秘部。でもさっきまでは感じてたのは事実。その部分を指でなで上げる。そして、濡れて光った指をわたしの顔に近づける。
「ひっ・・・」
「ほら、もうぬるぬるやないか。」
今から考えると無茶苦茶な論理。でも、そのころのわたしにはわからない。自分の浅はかな行動に後悔することしかできない。
「原本さん、そろそろ、始めましょうか?」
「そうやな・・・」
彼らは準備を始める。本棚からビデオを取り出し、三脚に立てこちらに焦点をあわせる男。ここからは見えないが、かばんをごそごそさせている男。原本は、よだれが垂れそうな顔でわたしの顔を覗き込んでいる。
「直美はアナルマゾに調教するからな。」
「うっす。じゃあ、薬買ってきます。」
一人の男が部屋を飛び出すように出て行った。アナル・・・マゾ・・・調教・・・薬・・・。わたしはひっかかる言葉を頭の中で繰り返す。うんうん言いながらおびえた瞳で原本を見上げるしかできない。その弱々しげな仕草が、相手をより嗜虐的にすることなど知らないで・・・。やめて、お願い・・・言葉にならない唸りを上げるだけ。
指がまたわたしの下半身に戻る。すっきりしたおなかをなでるとその下の茂みに這っていく。太ももに鳥肌が立ちそうな感触。好きな人に触られるのとは同じ手でも全然ちがう。それも、そんなところを触られるのは、雅則以外に許したことはない。茂みの下に這っていく指。今度はなでるだけでなく、亀裂をはがすように動く。それから、侵入可能な部分を見つけ、その部分に1本だけ沈み込んでいく。
「うぅん・・・うぅん・・・・」
唯一動く顔を左右に振る。指は根元まで沈んでいく。
「ハハハ・・・締め付けてるで・・・そんなにいいんか?」
その指を深くしたり、浅くしたりし始める。それから、その動きがスムーズになってくると、指を二本にする。
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・・」
口につめこまれた下着の隙間から、吐息がもれる。その反応を楽しむように、原本の指が膣壁をなでるように動く。
「感度は抜群やな。」
もう一方の手がわたしの胸に伸びる。そして乳首を絡めとるように動き出した。
「ぅうん・・・うん・・・あぁ・・・・」
わたしのくぐもった声がだんだん甘みを帯びる。その声を聞くといっそう原本の責めが強くなる。今度は親指がクリットを押しつぶすように動く。わたしはでも、その快感に負けることなく、身体を硬くしている。そう、目を閉じて人形に徹しようと思う。反応するから彼らは喜ぶのだ。無反応になれば・・・・。でも、その睫を揺らして耐える姿が彼らの嗜虐心、征服欲を増していることなんて気がつかなかった。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
■この記事のトラックバックURL
⇒ http://anjyou.blog.2nt.com/tb.php/70-540e7612
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
■この記事へのトラックバック
| BLOG TOP |