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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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3.

 店の前には豪華なキャンピングカーが止まっていた。見たことあるけど、乗ったことなんてない。中はどうなってるかわかんない。マスターはセレブな旅行って言ってたけど・・・・。本当に気合入ってるみたい。運転席からひげ面、サングラスの男の人、それからすごく美人な女の人が降りてくる。美奈子さんとは違うタイプ。うん、女王様って感じかな。でも、誰なの。マスターのつれって本当に怪しげな人が多い。わたしと美奈子さんはわからないまま、会釈をする。
「あ、こちら。今回、キャンピングカーを出してくれる雪城夫妻だ。私の友人で・・・和馬さんと、えっとひとみさん。」
「よろしくねっ」
 ひとみさんがわたしたちに向かって微笑む。笑うとさっきまでの冷たい表情が消えて、なんか親しみやすくなる。うん、仲良くなれそう。
「よろしくお願いします」
 わたしたちも微笑んで、雪城夫妻に挨拶をする。
「さあ、乗って」
 マスターが自分の車のように、乗り込む。わたしたちもその後に続いて車に乗り込む。中に入ると狭いけど、本当にお部屋みたいな空間が広がる。向かい合わせにソファーがあって、中央にテーブル。それからテレビ、冷蔵庫。わたしと美奈子さんは奥のほうに並んですわる。わたしの向かいに聡史。目が合いそうになると、彼は目をそらす。やっぱこないだのがまずかったのかな。前途多難って感じ。その何かあったときのラブワゴンみたいな雰囲気の中、車は静かに走り出した。


「うん。いいよ。温泉なんて久しぶりなんだから、楽しんできなよ。」
 主人は予想通り、簡単にOKをだした。このやさしさが、気まずかった。別に引き止める必要はないけど、もう少し、なんていうか。あるでしょ。そんなことをボーっと考えていた。
「みてみて!この旅館。お風呂が3つもあるんだって・・・」
 直美さんが旅館のパンフを広げてはしゃいでいる。
「美奈子さん、いっしょに入ろうね。」
 直美さんがわたしの腕に胸を押し付ける。子猫みたいな体温を感じる。ほんと、この子いいなっ。
「マスター、覗かないでね。」
 マスターにふる。今日はマスターもいつになく無口だ。でも、直美さん、なんか必要以上にはしゃいでる感じ、聡史のせい。さっきから、聡史はだまってガラスに張られた濃いミラー越しに見える景色を見ているだけだった。えっ、でもこの道、インターへ出る道じゃない。なんか山のほうに走っている。こっちに抜け道なんてなかったはず。ちょっと違和感を感じる。
 不思議に思っている矢先に、車はハンドルを切って狭い道に入り、急に止まった。

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