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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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20

 その後私は別室に連れて行かれる。部屋にはさっきの白人と平井、それに立会いの男だけであった。私はここで新しいご主人さまに引き渡されるのであった。白人が机の上に札束を積み上げる。大きな束が2つに100万円の束が5つ。紛れも無い私の値段だった。平井は指を舐めながら不器用に札を数える。そして、数え終わると一枚の紙にサインをした。これで、引渡しは完了だった。平井はバックにお金を詰めると、私の方に近寄る。
「新しいご主人様に可愛がってもらうんやで。」
 私の胸に手を這わせ乳首を弄びながら言う。
「NO!」
 白人は平井の手を払いのける。大金を払って買った限りは、自分のものだといわないばかりに英語で平井にまくし立てる。もうタダでは誰にもさわらせない。徹底したプロ意識であった。
「そ、ソーリー」
 平井は関西弁の英語で言うと、バックを抱えスゴスゴと部屋を出て行った。同時に立会人も仕事を終えて出て行く。部屋には、私と白人だけが残された。
「ハウディーユドゥ」
 私は沈黙を破るように言う。よろしく御願いしますってどういうんだっけ。今更ながら英語を真剣にやっていなかったのが悔やまれる。
「アイム・・・・」
 私が稚拙な英語を言うのを手で静止する。そして、私の身体を眺めてはビューティフルとかワンダフルとか呟く。自分の獲物を目を細めて鑑賞する。私はなぜか平井のところにいるよりマシだと思った。
 男は鞄の中から皮手錠と皮の脚枷を取り出す。お互い鎖で繋がれたやつだ。手の方は鎖が短いが脚は歩幅くらいの長さはある。私が逃げられないようにだろう。私は黙って両手を前に出す。自首する犯人みたい。その手に手錠が嵌められる。それから、男は屈みこんで足枷を取り付ける。最後に目隠しをして、猿轡をする。目の前が真っ暗になる。そして、マントが被せられる。暖かい。私は彼に手を引かれ歩き始める。どこに行くのかわからない。でももう私は家畜として生きるしかないのだ。なにか私の中で自然にあきらめみたいなものが芽生えていた。もう脚は震えず、しっかりと地面を踏みしめながら前に進んでいた。

 車の中で眠ってしまった。いままでの緊張で神経が休みたがったのだろう。心地よい車の揺れ。私はしらないうちに眠りについていた。目的地についたのかな。私は起される。ドアの開く音。外の空気を感じる。また、ここで新しい陵辱が待っているのだろう。でも、もう考えるのはヤメ。私を引く手に違和感を感じる。さっきの柔らかい肉感のある手ではなく。もっとやせていてしなやかな指。なにか懐かしいような暖かさを感じる。なぜだかわからない。私は、引かれるままに前に歩く。階段を少し上がるとすこし静止する。エレベーターの音。そして、扉が開く音。また少しだけ歩く。エレベーターが上がる感覚。そして止まる。すこし衝撃。そしてドアが開く。また、私達は歩き出す。しばらくして止まる。ドアの開く音。中に入る。
 足には絨毯の感触。それも毛の長いふわふわした。それから、私は肩を押される、それにしたがって空中に座るように腰をおろす。それを現実のソファーが受け止める。そこで手錠と足枷が外される。それに猿轡も。それから目隠しが取られる。白い世界。眩しくて何もみえない。私は思わず目を伏せる。そして薄目で周りを見る。ぼんやりとした部屋の中が頭の中で像を結ぶ。私、ここ知っている。ピンク中心の落ち着いたラウンジ。デジャブ。違う・・・・。思い出した。ここは・・・・。
 顔を上げた私をマネージャーとヨシトが覗き込んでいた。そして、少し後ろに沙羅様。隣りに気配を感じる。誰、私はそっちを向く。そこには真吾さまが笑顔があった。私は涙腺が壊れたように泣き始めた。両親に見つけられた迷子のように泣きじゃくった。

 私はポツリポツリと今までの事を話し始める。マネージャーが上手に私の話を聞き出す。自然に言葉が口にでる。でも、平井に陵辱されたことを話すのはどうしようもなく辛かった。彼には消えない傷を刻み込まれたのだ。その傷口を開いて真吾さまに見せているような傷みであった。でも、ここでは誰も私を責めない。暖かく包まれているような気がした。何かに守られているような、そんな感じだ。私が話し終わるとバラバラになりそうな私の身体を真吾様がきつく抱きしめた。
「知佳さん、わかりました・・・・」
 マネージャーの目が厳しい目になる。
「ヨシトさん、平井の方の処分を御願いします。」
 ヨシトが頷く。
「私は松島さまの方を何とかします。当クラブの長年守られてきたルールを破ったんですからね。それ相応のことはさせてもらいます。」
 マネージャーは怖いぐらいの殺気を放っていた。
「私は・・・・」
 私も罰を覚悟した。
「あなたは別にルールを破っていません。それに、もうこのクラブとは関係ありません。」
「えっ。」
「貴女は真吾様に買われたのですから。」
 私はその言葉に真吾様の顔を見る。真吾様は照れながら私に言った。
「さやかと似た人がオークションに出るって聞いたから、とりあえずのぞいてみたんです。どうしても貴女をあきらめられなくてね。一目みて貴女だってわかりました。それで、お金をかき集めに行ったんです。あなたを買った人は私の雇ったプロのバイヤーです。ほんとうに彼はよくやってくれました。オークションは現金払いですから・・・・いろいろかき集めたんですが、2600万しか集まらなくて。あのまま駆け引きを続けたらどうなっていたか。でもさすがプロですね。私の懐具合をまったく相手に悟らせませんでした」
「ありがとう」
 私は自然に感謝の言葉を口にする。そして、甘えるように彼に抱きついた。もう、一生この人の奴隷でいようと思った。

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