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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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 私はネットでSM小説や体験談を読み漁るようになった。SMの本なんか書店で買えなかったがネットではいくらでも手に入れることができた。それに、雑誌に比べ素人が書いたものはすごく生々しく感じた。紙一重の現実そこに飛び込めない自分。もどかしさを感じるようになった。私は架空の人格を作りお気に入りのページに書き込むようになった。ハンドルネームはさやか。SM経験ばっちりのM女。毎晩顔を出しいやらしいチャットを楽しんだ。でも、そのうちそれにも飽きてきた。ネットにいるのはタダで女性にいやらしいことをしようと目論む薄っぺらな男ばかりであった。その中で私は一人の男性に惹かれていった。もう普通のチャットルームではなく待ち合わせをして2ショットチャットで話すようになった。彼は私の作った妄想の世界の話を喜んで聞いてくれた。

ある日
キング>>さやかさん、本当にSMやってみたらどうですか?私で良かったら安全な方法を知っていますよ。
さやか>>えっ
キング>>わかっています。貴女がSM経験が無いことくらい。
さやか>>嘘?
キング>>何か貴女と話していると、辛くなります。
さやか>>でも
キング>>心が悲鳴を上げているみたいで・・・・
さやか>>うん
キング>>そう、とりあえず話だけでも。絶対安全ですから。
さやか>>電話?会うの?
キング>>とりあえず電話でも
さやか>>うん・・・でも・・・・
キング>>貴女のメールに電話番号を送ります。そこに非通知で電話して下さい。
さやか>>でも怖いよ
キング>>貴女を助けたいんですよ。無理にとは言いませんが。
さやか>>うん
キング>>このままではあなたの心が壊れそうな気がします
キング>>勇気を出してください
キング>>電話が鳴ってる。もしかして?
さやか>>うん^^
キング>>ありがとう。私を信用してくれて。それに非通知じゃないね。かけなおそうか?
さやか>>うんうん^^

 私は、彼に自分の性癖のことを全て話した。涙声でずっと。彼はやさしくそれを全て聞いてくれた。2時間以上しゃべっていた。彼と話すとその分だけ心が軽くなった。私は魔法にかかったように彼と会う約束をして電話を置いた。

 会社の帰りに喫茶店でキングと待ち合わせした。年齢や服装を聞いていたのですぐにわかった。彼はレディファーストのイギリス紳士のように女性を扱う。それが全然嫌味にならなかった。私は食事をした後、彼がマネージャーをやっているSMクラブに誘われた。私は見学のつもりで彼の後に付いていった。まるでいつもの自分からは想像できないような行動力だった。これも彼の魔法かもしれなかった。
 豪華な応接で、彼と話をしていた。私はまた涙ぐんでしまう。
「ここで働いてみませんか?」
 彼は突然とんでもないことを言い出した。
「働くって?」
 私は濡れた頬を拭いながら顔を上げた。
「そう、ここでMとしてやってみませんか?」
「えっ・・・でも・・・」
「大丈夫。いい方法がありますから。」
 彼は部下を呼ぶと、何か耳元で言う。
「私に任せてください。」
 彼はにっこり微笑む。私はあまりのことに言葉が出なくなる。
「ここは。会員制のSMクラブです。会員の方はみんな身元がはっきりしている紳士ばかりですよ。それもちゃんとした調教の出来る方ばかりです。でも貴女の方が心配ですよね。大丈夫、貴女の身元は誰にもわかりません。私が魔法をかけてあげましょう。」
 部下が応接室に入ってくる。手に何か持っている。
「じゃあ、目を閉じてください。」
 私が目を閉じると、顔を何かが覆う。真新しい皮の匂い。顔が締め付けられるような感じ。目と鼻と口は覆われてないようだ。
「さあ、目を開けてください。」
 彼が手を叩くと、催眠術から解けたように目を開く。彼が手鏡を渡す。マスクを被った自分の顔が映る。
「これがわたし?」
「そう、これが、私の魔法です。声も変わりますし誰だかわからないでしょう。あなたはここではさやかです。あなたは顔のない淫乱なマゾです。」
 彼が語りかける。口調はあくまでやさしい。
「私が薦めた女性は、貴女で3人目ですよ。本当は興味本位で来る人は断ってるんですよ。ここはお客様も選びますが、女性も厳選してるんです。貴女は好きな時にここにくればいいし、やめたければいつでもやめていいんですよ。」
「あの・・・・よろしく御願いします。」
私の口は勝手に喋っていた。私の中のさやかが目覚めた瞬間だった。

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