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その後もわたしたちは精奴隷として扱われる。
あきることなくわたしたちの身体を苛む4人の男たち。
何度も鞭で叩かれ、縛られ、いろいろな道具で責められる。
そして、嫌悪感をもちながらも、感じてしまう。
それを男たちの哄笑がつつむ。
約束の時間を待ちわびるわたしたち。
でも、その時間は容易く延長される。
もう、人形のように虚ろな瞳で男たちを見るわたしに、終了の合図が告げられる。
泥のように倒れるわたしを早紀さんが強く抱きしめる。
わたしひとりだったら狂っていたかも…
沢水とバーコードは再びわたしを呼ぶ方法を聞く。
今度は1人で楽しみたいということらしい。
もし、密室で沢水と2人きり…
そんなことになったら…
でも、綾菜さまはそんなわたしの気持ちも知らずに、わたしの名刺を渡し、値段の交渉をする。
私はM娼婦にされてしまったんだ。
これからも、好きでもない男に虐められ、抱かれるんだ。
華やかな世界にいて、国民的アイドルアナウンサーだったわたし。
それが、少なくないとはいえ、お金でどんなことでもすることになってしまうなんて。
また目に涙が溢れ出す。
金髪デブもどさくさにまぎれて、早紀さんの名刺を請求する。
営業スマイルで遠慮なく綾菜さまがそれを渡す。
帰りの車の中で、泣きじゃくるわたしを早紀さんがやさしく抱きしめる。
綾菜さまは前の席で、スマホをいじるだけ。
奴隷として生きていくしかないわたし。
もう、彼にも会わす顔はない。
愚かなわたしの性癖。
それがすべてを壊してしまった。
アナウンサーとして華やかだった過去も希望に満ちた未来も・・・
でもその先に絶望ではなく、甘美な世界が広がる。
もうどうなってもいい。
最低の奴隷に落ちるしかない。
キュッと背筋に痺れるようなものを感じる。
涙が止まった私を早紀さんはやさしく抱きしめて、
わたしたちは唇を重ねあった。
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