悪夢の館（SM小説）

10

　そのまま、綾菜は向こうの部屋に消える。

　どうなるの？
　わたし・・・・

　涙がにじんでくる・・・

　調教・・・・
　どんなことされるの？

　わたしは周りを見回す・・・
　まわりには、人を責める道具・・・
　使い方がわかるものもある・・・
　わからないものも・・・

　でも、何をされるのかはだいたい想像できる・・・
　SMみたいなこと・・・・
　写真集みたいなので、見たことがある・・・
　縛られて・・・・
　みたいなの・・・・

　そのとき、部屋のドアが開いて人影・・・
　綾菜のシルエット・・・・
　でも、それだけじゃない・・・
　
　綾菜は何か紐のようなのを手に持っている・・・

　綾菜の足元を這うもの・・・

　それは、犬とかじゃない・・・・

　ゆっくりと近づいてくる・・・
　めがねをかけて・・・
　スリムな女性・・・・

　早紀さん・・・

　全裸に首輪だけで・・・
　ゆっくりと綾菜を先導するように4つんばいで歩く・・・
　
　普段は逆・・・
　綾菜に注意したりしてるのに・・・

　顔を上気させて、身体をくねらせて歩く・・・
　わたしはその姿に目をそらす・・・

「ほら、先輩奴隷の早紀だよ。
　若葉もすぐにこんなふうに素直にしてあげるからね」
　わたしの側に来て、反らす顔を早紀さんの方へ向ける・・・

　足元で見上げる早紀さん・・・・

　わたしはその表情になにか艶っぽいものを感じた。


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