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彼女たちは、昨日の痴漢プレイみたいにはしてこなかった・・・・
携帯の写真を切り替えながらクスクスと笑う・・・・
時々、わたしを蔑むような言葉が聞こえる・・・・
「ねぇ、栞さん・・・今日のお客さまはわたしたちよ」
「えっ・・・・」
一番少女っぽい子が言う。
他の子もティーンズ雑誌のモデルみたいな可愛い子ばっか・・・・
「たっぷりと可愛がってあげるね」
そんなこと言う様に見えない子・・・・
まるで、映画の悪魔が取り付いた子みたいに言う・・・・
言葉を失ってしまう・・・・
「楽しみだなぁ・・・」
そういいながら、わたしに封筒を渡す・・・・
いま流行りのキャラクターの絵のかわいい封筒・・・・
その中には、今日の待ち合わせ場所が書いてある・・・・
ティーンズの子のメッカって言われているビルの前・・・・
「遅れないでねっ」
電車から降りると軽く頬にキスして、友達と一緒に駆けていく・・・・
そんな後姿を呆然として見送るしかなかった。
夕方・・・・例のビルの前・・・
キョロキョロと彼女たちを探す・・・・
噴水の前のひときわ目立つ集団・・・・
そう、可愛い子を集めたような。
男の子たちが彼女たちを遠巻きに見ている。
その中の一人がわたしに手を振る・・・
あの子だ・・・・
中学生にも見える身長・・・・
でも制服は名門高校のものだ・・・・
他の子たちも振り返る・・・
朝見た肌が黒くて派手な感じの子。
眼鏡をかけたおとなしそうな子。
ショートでスポーツマン系の子。
わたしが近寄ると、彼女たちもわたしの方へよってくる。
「待ったよっ」
満面の笑顔で小さな子がわたしの腕に巻きつく・・・
「わたし、愛香だよ。可愛がってあげるねっ。」
タンニング肌の子も反対の腕に巻きつく。
「わたしは絵里菜。よろしく」
上目遣いにわたしを見ながら・・・
「あの、京子です。よろしくお願いします。」
眼鏡の子は正面で丁寧にお辞儀をする。
「わたしっ。あゆみです。」
ショートの子も体育会系って感じ。
「わたし・・・・栞です・・・」
わたしも一応挨拶する。
「うん、知ってるよ。マゾなんだよね。あとでマゾらしい挨拶させてあげるよ。」
そう、今日はこの子たちに・・・・
わたしは楽しそうに話しながら歩く彼女たちに付き従った。
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