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「沙耶はゆるしてあげて・・・」
真由子先輩は上目遣いに美奈先輩を見る・・・
「どうしようかなっ」
「わたし・・・なんでもします・・・」
「そう・・・」
勝ち誇ったように美奈先輩・・・
「どんなことでもします」
必死に真由子先輩はわたしをかばう。
「どんなことでも?」
「はい・・・」
悪魔にそんなこと言ったら・・・
どんなことになるの・・・
たぶん、もう人間としての権利なんてすべて剥奪されて・・・
「店長、なんでもするらしいよ」
「そうだな。いろいろやってもらいたいことがあるからな」
「お願いします」
「まず、この店のオーナーが最近かわってね。知ってるかい。」
真由子先輩が首を左右に振る。
わたしもそんなこと知らなかった。
「そのオーナーが、新しく出すSMクラブに何人かMの女の子を出してほしいってさ。」
「はい・・・・」
「ナンバーワンの真由子ちゃんがやってくれるんだったら、俺の株も上がるってわけだ。」
「それと、真由子の私生活はわたしが管理させてもらうわ。」
割ってはいる、美奈先輩・・・
「いいでしょ。マネージャーをしてあげる」
「あぁ・・・・」
どういう意味かわかる・・・
こいつら、真由子先輩を骨までしゃぶるつもり・・・・
「真由子のものはわたしのもの・・・ギャラも全部受け取ってあげる。嬉しいでしょ。マゾだもんね。」
だめ、そんなことに同意したら・・・
本当に奴隷にされてしまう・・・
「だめっ!先輩!」
わたしは叫ぶ・・・
「おまえは黙ってな!真由子と美奈さんの話だよ」
また、わたしに鞭・・・・
さっきよりも強く・・・
容赦ないもの・・・・
「わかったわ」
俯いてつぶやく真由子先輩・・・
その真剣な口調に覚悟が感じられる・・・
「フフ・・・じゃあ、真由子はわたしの奴隷ね。」
「はい・・ご主人さま。でも、沙耶は帰してあげてください。」
「だめ、口先だけかもしれないでしょ」
「あぁ・・・信じてください」
「とりあえず、どれくらい従順か確かめてからよ。」
美奈先輩は先輩の手錠と足枷を取り始める・・・
金属のカチャカチャいう音・・・
そして、皮製品は音を立てずに解ける・・・
「木籐!真由子がおかしなことしたら、沙耶を切り刻んでやって。」
恵美さんがは木籐にナイフを放る・・・
片手でキャッチする木籐・・・
にんまりと笑って、刃先をぺロッと舐め・・・
そのまま、わたしの胸に当てる・・・
「ひっ・・・」
冷たい感触にわたしは目を閉じる・・・
「じゃあ、これにサインしてくれる。」
美奈先輩が真由子先輩に紙とペンを差し出す。
それに目を落とす真由子先輩・・・
「一枚は奴隷契約書。もう一枚は借用書・・・一億円のね。」
「これで、沙耶は放してもらえるのね。」
念を押す先輩。
「真由子の覚悟しだい。一生借証書と奴隷契約書に縛られるの。」
「だめっ。そんなのサインしたら。」
わたしは大声で叫ぶ。
「うるせえな。」
木籐がわたしの乳首をつまんで刃を当てる・・・・
まるで、切り落とす姿勢・・・
それに黙ってしまう・・・
こいつらなら本当にやりそう・・・
恐怖で膝がガクガクする・・・
「サインするから・・・」
こっちをチラッと見て、あきらめたようにペンをとる。
二枚の紙に順にサインをする。
そのあと、親指に朱肉を押し付けて、紙に拇印を押す・・・
奴隷契約書と借用書の出来上がり・・・
法律的には無効だと思う・・・・
でも、この場では法律なんて無意味・・・
圧倒的な力の差・・・・
それに、こいつら、こういうのになれているって感じ・・・
わたしがこの店に来てから・・・
何人か美奈先輩と折り合いの悪い人がやめていってる・・・
それも突然・・・
もしかして、こういう風に毒牙にかかったのかも・・・
大丈夫・・・
そう言うように先輩はわたしの方をみて微笑む・・・
その首に美奈先輩が太くて黒い首輪を巻きつけた。
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