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「誰がいっていいって言った?」
細い鞭がわたしの太ももを打つ。
細い筋が太ももに浮き上がる・・・
中川さんが怖い目でわたしをにらむ・・・・
あの温厚そうな細い目。
それが、こんなに怖いなんて・・・
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
わたしは謝りつづける・・・・
でも鞭はやまない・・・
何度も何度もわたしの太ももに巻きつく・・・
わたしは身震いしながら許しを乞うしかない・・・
涙を潤ませながら・・・
「本当に淫乱なマゾだな。」
言葉でも責められる。
でも、言い返す言葉がない。
「ごめんなさい・・・ひっ・・・もう、叩かないで。」
今度はお尻を打ち始める・・・・
打たれたところに焼けるような痛み・・・・
「いやらしいマゾであることを認めるんだな。」
「あっ、はい、認めます。」
必死で中川さんの機嫌を取ろうとする。
「ちゃんと言ってみろ。自分がどんな女なのかを。」
鞭はやみ・・・
中川さんの手がわたしの頬にかかった髪をなで上げる。
「あぁ・・・美咲は・・・いやらしいマゾです。」
「そうだ・・・」
「見られて、虐められて、感じる変態マゾです・・・・」
「そのとおりだ。おまえは最低の女。」
「いつも、いやらしく、マゾなこと考えている・・・いやらしい女です。」
わたしは自分を貶める言葉をいう。
涙声で。
なんか、その度に自分の鎧を剥がしていくような気がする。
そう、常識という鎧。
女の子はこうでなくてはとか言う世間の常識。
自分に絡みついた鎖をはずしていく。
仕方ないよ・・・・
自分の責任じゃない。
奴隷になるしかないじゃん。
自分の中のもう一人の自分が囁く。
それに身を任せるしかない。
「美咲を・・・・」
「なんだ・・・」
「美咲を・・・いやらしく調教してください。」
わたしはそう口に出していた。
まるで、自分の口ではないみたいに。
「ハハ、もうおねだりか。いいだろう。」
中川さんは細い目をより細める。
たぶん、わたしに待っているのは地獄。
人間としてではなく。
性奴隷として扱われる日々が待っている。
でも、想像もできなくらいの官能も待っている。
中川さんがわたしに唇を重ねる・・・・
わたしは目を閉じて・・・
舌を感じ・・・・
そして自分から舌を絡める・・・・
まるで、恋人に甘えるように・・・・
きつく抱きしめる中川さんの腕・・・・
わたしは、それに身をまかせながら・・・
中川さんの舌を吸い続けた。
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