22
緑の文字が現れて、現実に戻される・・・
そう、タイムオーバー・・・・
なんで・・・わたし・・・・
ギブアップできないの・・・・
そう、不思議なくらい・・・・
普通のゲームならちょっとやばいだけでリセットなのに・・・・
そんなことを考えるわたしの前に中川さんと真美・・・・
「どうでした?」
「うん・・・」
取り繕う言葉が出てこない・・・・
「まあ、お菓子でも食べながらお話してください。」
わたしはいつものテーブルに座る・・・・
ここらでは人気のあるシュークリームが用意してある・・・・
でも、なんか手をつける気が起こらない・・・・
真美はゲームについての注文を中川さんに言っている・・・・
難易度が低いとか・・・・
ジャンプの感覚が現実的じゃないとか・・・・
「美咲さんは・・・気になることないですか・・・」
「えっ・・・・」
急に先生に指された小学生みたいにドキドキする・・・・
「あの・・・ストーリーは中川さんが作ってるの?」
「いえ・・・世界観だけです・・・あとキャラクター・・・・」
「そうなんだ・・・・」
「でも、キャラクターは取り込ませていただいてます。美咲さんのゲームに真美さんが出てくるでしょ。あれは真美さんをスキャンしたものです。そして、ストーリーは自分で作り出すようになっています。あなたの望んとおりに物語は進んでいくはずです。」
キラリと中川さんの眼鏡の奥の目が光ったような気がする・・・・
「うん、システムはいいんだけど、ストーリーがもうひとつかなって・・・・やばい、それ、わたしの想像力がないってことじゃん。」
ごまかすようにはしゃぐわたし・・・・
「いえ、そんなことは・・・・」
汗を拭く中川さん・・・・
「わたしは結構楽しんでるわよ。」
真美が助け舟を出す・・・・
「でも、個人差はありますよ。早く入り込める人・・・なかなか入り込めない人・・・。そう、催眠術みたいに・・・ききやすい人とそうでない人に分かれます。例えば、男性にバーチャルは利きません。最初はわたしが試してみましたが、効果ありませんでした。女性のほうが想像力に優れているのかもしれませんね。」
「そうなんだ・・・・」
本当は凄い想像になってる・・・・
でも、そんなことはいえない・・・・
鈍いふりをする・・・・
「美咲さんも、そのうちいい夢がみられますよ。」
「うん・・・・・」
とんでもない夢を見ているわたし・・・
それがわたしの深層心理・・・
そしてわたしが望んだ夢だっていうの?
でも、そんな気がする・・・・
魔莉夜さまに調教されて・・・
こんどは一緒に並べられて・・・・
いままで、わたしがビアンでMだなんて思ったこともなかった・・・・
そんな世界で感じてしまうなんて・・・
それも、実際のSEXの何倍も・・・・
いく・・・なんて感覚味わったことなかった・・・・
たしかにエッチって気持ちいいけど・・・
こんなにされることで、もっと・・・震えるほど・・・・
自分で自分がわかんない・・・・
ぼーっとする私・・・・
ふいに気がついて中川さんを見る・・・・
気のせいかもしれないけど・・・・
そのいつもやさしい目のなかに・・・
いつもと違う冷たい光が宿っているような気がした・・・・
まるで、ゲームの中のサディストたちに特有の家畜を見るような目・・・
でも、そんなはずない・・・・
「大丈夫ですか?」
中川さんのいつもの心配するような問いかけに・・・
わたしは自分の中の変な想像を振り払うように頭を大きく振って微笑んだ・・・
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