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「どうでした・・・」
「うん、すごいよ・・・このゲーム・・・」
「そうですか?でも、まだまだなんですよ。」
テーブルを囲むわたしと真美・・・・
そしてバーチャルリアリティ研究所の所長の中川さん・・・・
そう、わたしと真美は中川さんの作ったゲーム機のモニターをしている・・・・
それもバイトで・・・・
ヴァーチャルって機械・・・
カプセルみたいなところに入って、指示に従うと、私達は異次元の世界に入っていく・・・
実際の体験と変わらないリアルが私達の前に現われる・・・
USJのスパイダーマンもそんな感じだけど・・・・
自由度が違う・・・・
もちろん切られたり撃たれたりしたら痛みも感じる・・・
でも、ゲームが終わるとその傷はあとかたもなくなる。
感覚みたいなものは残る・・・
まだ、わたしの身体の中には涼のものが残っている感じ・・・
こんなすごいゲーム機を体験してお金までもらえるの・・・・
わたしと真美はレイヤー友達・・・・
イベントでは多くの男達を集める・・・・
わたしたちのパンチラを狙うカメラ・・・・
でも、本当は見せパンなんだけど・・・・
そこで、中川さんに声をかけられた・・・・
うさんくさかったけどすごいゲーム機ってこととお金・・・・
それと真美が一緒って言うのも心強かった・・・・
「そうなんだ。」
テーブルの上のお菓子をほおばる真美・・・・
「だいぶデータがとれました。」
「うん、私達も楽しんでるし・・・ねっ、真美・・・」
「うん・・・」
真美とわたしは顔を見合わせて微笑んだ・・・・
「それでさ。ちょっと次からレベル上げてみようかっておもってるんだけど。」
所長が気を使いながら言う・・・
この人ってなんか典型的なイイヒトタイプ・・・・
私達ってお金までもらってるのに・・・・
それもかなりの時給・・・
マックのバイトの倍くらい・・・・
「いいですよ。わたしも物足りないなって思ってたし・・・ねぇ、真美。」
「うん・・・新しい敵とかと戦いたい・・・」
「そう。ありがとう。」
所長は細い目をもっと細くする。
本当にこのゲームって麻薬性がある・・・
なんか、ここに来るの待ち遠しくなってるもん・・・・
わたしは涼に会いたいだけかも・・・
そして真美は慎之介・・・・
やっぱ恋愛のほうもパワーアップするのかなっ・・・
そんなことを考えながら、目の前のストレートティに口をつけた・・・
「じゃあ、レベル2で・・・」
「ラジャ・・・」
ニコッと笑って中川さんを見上げる・・・・
「じゃあ、いってらっしゃい。」
カプセルの蓋が閉まる・・・・
一瞬の暗闇・・・・
そして緑色の字が浮かび上がる・・・・
その光に集中する・・・・
なんか不思議な瞬間・・・・
もしかして催眠術の一種なのかな・・・・・
そう考えてると、わたしの視界に荒廃した世界が現れる・・・・
私達はその中で一番高いビルのうえに立っている・・・・
きつい風に髪の毛が乱れ、スカートが捲くれる・・・・
そのスカートを押さえる・・・・
隣では真美も同じように・・・・
そして後ろから涼がわたしを抱きしめる・・・・
振り向くようにして唇を重ねる・・・・
「あっ・・・・」
真美も同じように・・・・
でも、そのラブシーンは空からの攻撃に遮られる・・・・
宙を飛ぶ羽の生えた女達・・・・
笑いながら鋭い爪で攻撃してくる・・・・
そのわたしを涼がガードする・・・・
「大丈夫?」
「うん・・・・」
わたしはニコッと微笑む・・・・
そして、戦闘モード・・・・
真剣な顔をして敵を睨み、銃を構える・・・・
片目を閉じて狙いを定める・・・
銃からレーザービームが吐き出される・・・
それは3つに別れて、驚いた顔をしたハーピー達を追いかける・・・
命中・・・・
落ちて行く鳥女・・・・
涼にVサイン・・・・
真美は宙を飛んで敵をサーベルで切り裂く・・・・
腰までの長い髪が舞うように揺れる・・・・
美人系の顔・・・・
すごいクール・・・・
わたしも涼にいいとこ見せなくっちゃ・・・・
膝を曲げて、大きく飛び上がる・・・・
回転しながら宙を舞い銃を撃つ・・・・
次々と現われる敵・・・・
それを確実に破壊していく・・・・
鬼神と化した私達はよるもの全てを破壊していく・・・・
その目の前に黒いボンテージと網タイツに身を包んだ女・・・・
たぶんこいつがボス・・・・
わたしと真美が身構える・・・・
初めての敵・・・どんな攻撃をしてくるかわかんない・・・・
とりあえず、わたしが銃を撃つ・・・・
溜めのない軽いジャブ・・・・
女は鞭を取り出し軽く振る・・・・
撃ち落されるレーザー・・・・
わかったよ・・・
こいつの攻撃はこの長くて黒い鞭・・・・
女の黒い唇の端が上がる・・・・
微笑んでいるんだ・・・・
年齢は30くらいですごい美人・・・・
プロポーションも真美並みにいい・・・・
SMの女王様って感じ・・・・
「わたしがいくよ。」
真美がブレードで切りつける・・・・
女はそれを待たずに鞭で真美の手首を叩く・・・・
真美の手首にまきつく鞭・・・・
真美のブレードが絡めとられる・・・・
「今よ!美咲。」
わたしは全エネルギーを銃に集中する・・・
いっけー!
それを放出・・・・・
太い光の帯が女に向かう・・・・
やったぁ・・・・
そう思ったのもつかの間・・・・
光は右手からの鞭で叩き落とされる・・・・
そう、女は二本の鞭を操る・・・・
強い・・・・
あとは真美と・・・・・
2人は手を握る・・・・
真美のぱわーを感じる・・・・
そしてわたしもエネルギー全開・・・・・
2人の身体が光に包まれる・・・・
必殺技・・・・・
光のビームを女に向かって発射する・・・・
女の身体が光の中に消える・・・・
やった・・・・
そう思ったのもつかの間・・・・
光の消えた後には、無傷の女が不敵な笑いを浮かべていた・・・・
その腕から伸びる鞭・・・・・
わたしと真美はそれに弾かれてビルの谷間に落ちていった・・・・・
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