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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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49
「じゃあ行こうか。」
 真由美さんが言う。いったいどこへ?
「仕方ないねっ・・・」
 吐き捨てるように言う聡子さん。
「佳奈子さんも出てきて。」
 わたしは部屋がら出る。裕美がこちらを見る。いままで見たことのないような弱弱しい裕美。自然に彼女の横に行って彼女を支える。なんか自然に涙があふれてくる。あとはどうなってもいい。裕美にどんな責めを受けても。
「殴りこみなんて久しぶりだねっ。」
 聡子さんが嬉しそうに言う。
「そうねっ。」
 真由美さんも微笑みを浮かべる。まさか。裕美はじっとわたしに肩を預けたまま。わたしと裕美は真由美さんと聡子さんに導かれるままに歩いた。

 車かた降りるとお城のようなお屋敷。重い鉄の格子の門。そして裕美がインターフォンを押す。
「わたし・・・」
 門が自動的に開かれる。その中にわたしたちは足を踏み入れる。握った裕美の手が汗ばんでるのがわかる。彼女の本能的な怯えが伝わる。わたしたちは導くように配置されたライトの中心を歩いていく。まるで映画の主人公になったような感じがする。そして、いまから悪者を退治するんだ。
 重そうな扉が開き、初老の男が姿を現す。どこから見ても完全な執事。
「牧島でございます。いつもお嬢様がお世話になっております。どうぞお入りください。」
 深くお辞儀をして、わたしたちを招き入れる。裕美の手が震える。そして、聡子さんが身構える。彼から目を離さない。そんなに殺気みたいなものがあるの?わたしにはわからない。
 中に入ると、テレビの豪邸特集とかでしか見たことのないような内装。ふかふかの絨毯に豪華な応接・・・それも広い空間の中央に・・・その真ん中の席に綺麗な女の人が座っている。部屋の調度品のようなワインレッドのドレス・・・そして立ち上がってわたしたちに会釈する。その後ろにはボーイ服を着た2人の男・・・おすもうさんみたいなデブともう一人は矮小な黒い肌の男・・・・。大人と子供みたいにみえる・・・かなり対照的な2人・・・不気味な感じがする。
「どうしたの?裕美ちゃん、こんな時間に。」
 甘い声で話しかける。やさしそうな人に思える。そして、ぞくっとするほど色っぽいオレンジ色の口紅がとろけるように光っている。
「里帰りってわけじゃないわな。」
 デブの男・・・かすれた声・・・・。
「普通は父親の居るときしか帰ってこないのに、どうしたの?」
「また、俺らに調教されたくなったんじゃないのかな。」
「フフ・・・ずいぶんいやらしいお嬢様だったからな。もう耐えられなくなったじゃないかな。」
 デブと背の低い男が裕美を見る。薄ら笑いを浮かべた顔。彼らの顔が悪魔の顔に思えてくる。
「それから、新しい奴隷も連れてきてくれたようですね。みなさんお美しい・・・その美しい顔が苦痛にゆがみ、断末魔の悲鳴をあげるのを聞きたいものです・・・いつかの鮎子さんみたいにね。」
 執事が丁寧に言う。口調はそうだが、内容は悪魔のもの。
「そうねっ。この子たちここに来たからには何をされても文句はいえないわ。フフフ・・・」
「不法侵入ってやつだね。」
 背の低い男・・・甲高い声・・・・
「あなたたちもねっ・・・警察なんて呼ぶ気ないんでしょ。」
 真由美さんも不敵に笑う。
「また調教しないとね。こんどは厳しいよ。裕美!」
 顔をゆがめる裕美の義母に怒りが湧き出る。なんか自分でもわかんない。彼女の前に進んで横顔を張ってしまう。パシン・・・・。弾ける音・・・・。彼女が頬を押さえる。それが合図になる。彼女の前に3人の男が出る。まるで彼女の盾みたいに。聡子さんがわたしを後ろに引っ張る・・・そして3人がわたしの盾になる。牧島の前に真由美さん・・・デブの前に聡子さん・・・背の低い男の前に裕美・・・・。そして、6人が構える。それぞれの構え。

 まず、裕美と背の低い男が接近する。
「また、虐めてやるぜ。」
 怖い顔で裕美を見る。そしてナイフを取り出して、刃を舌でなめる。蛇のような陰湿な目。
「返り討ちにあいたいの?」
「俺をおまえがやった2人と一緒にするなよ。俺の怖さはわかってるはずだぜ。」
 裕美は5人の男にやられたって言ってた。たぶん2人は裕美がやっつけたんだ。でも、その裕美がすこし震えている。たぶん彼の言葉はいちばんわかっているはず・・・精一杯背伸びしているんだ・・・
「大丈夫。裕美は強いよ。」
 聡子さんがデブと対峙しながら裕美に声をかける。矮小な男はナイフを操り出す。まるでジャグラーのように両手を行ったりきたりさせる。そして、裕美を突く・・・トリッキーな動き。でも、裕美はそれを避ける。避け損ねたのか・・・裕美の腕に一筋の傷・・・そこから血が垂れる。裕美は冷静・・・・彼の繰り出すナイフを紙一重で避けている。どこから飛び出すかわからない変幻自在のナイフ・・・・。わたしはごくりと唾を飲む。
「フフ・・・時間の問題だな。また擦り切れるほど犯してやるぜ。」
 裕美は黙って避けるだけ。やばい。反撃も出来ないんだ。それほどの早い動き。そして、裕美の真剣さに気づいたのか男に余裕が出てくる。裕美の処女を奪った話・・・それと裕美が彼らにどんなことをされたのか男の口から語られる。裕美の辛い過去・・・。わたしは心配そうに裕美を見る。でも裕美はだまって避け続ける。裕美の目は死んでいない。
「そろそろお遊びはしまいだな。」
 男の声が上擦る。なんか痺れを切らしたように。でもナイフのスピードはもっと速くなる。裕美はやっぱり避け続けるだけ。でも裕美の顔に笑みがもどったような気がする。
「ワンパターン!」
 裕美が叫ぶ。そして裕美の反撃。裕美の足が男のあごを捉える。倒れる男。でもすぐに体制を立て直す。まるで猫のよう。
「もう、見切ったよ。」
 吐き捨てるように言う裕美。男は戸惑ったように、ナイフをふりまわす。
「何つよがってんだよ。まぐれで当たっただけだろ。」
「えっ・・・違うよ・・・・」
 今度は手を蹴り上げる。ナイフが宙を舞う。裕美のいつもの人をくったような態度。おもいっきり男を見下す。
「さあ、どうしようかなっ。聡子さん・・・サンキュ・・・相手が疲れるまで耐える・・・だったよね。」
 聡子さんに向かってVサインをする。
「あら、もうわかったの?天才ねっ。」
 男はナイフを拾う。また、がむしゃらに振り回す。もう、さっきの余裕なんてない。
「ジ・・・エンド・・・・」
 裕美が親指を地面に突きつける。そして一発の蹴り。それはナイフを弾き飛ばすと同時に男を突き飛ばす。仰向けに倒れる男・・・そして遅れて心臓につきささるナイフ・・・・男の口から鮮血が噴出す。大きく見開かれた充血した目・・・・そして裕美のほうに這って来る・・・その男を冷たい笑みを浮かべながら・・・裕美の足が踏みつけた。

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