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金曜日の6:00・・・もう更衣室はガランとしている。部下たちは我先に競って帰り支度を始める。そして、その混雑の後・・わたしは更衣室に入る。いつもは混雑を避けるため・・・でも今日は別の目的があった。そう・・・ここで着替えなくてはならない。こんなところあんまり見られたくない。でも、まだ残っている子いるかも・・・ロッカーのドアの影に隠れるようにして、スカートに手を入れる。そして、ストッキングの上から指を滑り込ませる。下着にも滑り込ませ、下に降ろしていく・・・。お尻から太もも・・・。アソコに張り付いたようになっている下着を剥がす。そう、今日は朝からそのことばかり考えていた。そして下着を何度も濡らしていたのだった。つま先から抜き取ると、裏返った下着の部分に染みが広がっている。ロッカーの中に一度放り込むと新しい下着を取り出す。黒いレースをあしらったショッキングピンク・・・前の部分が切れ上がって後ろはTバックになっている。何年も履いたことのない下着だった。それに足をとおして引き上げる。そしてスカートをたくし上げて、下着を直す・・・特に毛がはみ出ないように・・・昨日お手入れをしてるから大丈夫・・・でも剃り跡が少し生々しかった。それから、光沢のあるパンストをその上に被せていく。腰まで上げてからよれてるとこがないように整える。脚のラインには自信があった。
まわりを見回してから、服を取り出す。若いときに着てた服・・・黒のワンピース・・・それもセミボディコン・・身体の線がわかるような・・そして後ろにギリギリまでのスリット・・・制服を脱いでブラを付け直す・・・下とお揃いのブラ・・・横のお肉をカップに詰め込むように・・・胸の谷間を強調する。服に足を通すと上に引っ張りあげる。そして肩紐を通して位置を直す。おもったよりも窮屈な服・・・若いときは抵抗なかったのに・・・すごく恥ずかしい・・・。背中のファスナーを締めるともっと身体がしまるような気がする。後ろを見て下着の線が出ていないか確認・・・。ゴールドのベルトで腰を絞ってロッカーの鏡をみて自分のスタイルを確認する。ひさしぶりだ・・・こんなエロい格好・・・ちょっとポーズを取ってみる。そのままメイクを直す・・・完全にやり直す暇なんてないけど・・・すこし派手目にアイラインを決めてみる・・・。それからリップを直して・光沢のあるグロスを重ね塗りする。髪の毛を解いて手櫛で整える・・・うん・・・まあ完璧だ。
そのときドアの音が鳴る。慌ててコートを羽織るわたし・・・。
「黒田主任!」
ちょっとアニメ声・・・斉藤裕美だ・・・。他の子はわたしを避けようとするけど、この子だけはなついてくる。
「えっ・・・斉藤さん・・遅いのね・・・」
気合のはいったメイクがばれないように裕美の方を向かないで話す。
「うん!メールしてたら時間わすれちゃって・・・・いろいろな友達に・・・主任にも入れたんだよ・・・」
「えっ!」
携帯を確認する。「ごめんなさい」という題のメールが入っている。開けると絵文字だらけでなんかわからないメール。でも、今日のミスを謝るメールみたい・・・・。気持ちは伝わるけど・・・このメールはないよ。本当に天然な子・・・。クスッと微笑んで裕美の方を見てしまう。
「いいよ・・・でも同じミスはしないでね。」
「はい!」
泣きそうな顔が一瞬で晴れる。嬉しそうに私を見る。でも、いつも私を見る表情に違和感を感じる。それがなんなのかわからないけど・・・。
「でも、主任、今日はデートですか?」
「えっ?」
「なんかいつもとメイク違うし・・・」
「うぅん・・・ちょっとね・・・・」
この子、仕事は鈍いくせにこういうことはすぐに気づいてくれる。
「やっぱ・・主任って美人だし・・・彼氏いるんだ・・・」
「違うよ。みんなに言わないで・・・ちょっと友達とあうだけだから・・・」
「そうなんだ・・・」
意味ありげな笑いを浮かべる裕美。そして照れたように赤くなってしまうわたし。いつもと立場が逆転してしまう・・・。
「うん・・・いいよ・・じゃあ秘密・・・」
「うん・・・じゃあ先に帰るわ・・・・」
わたしはバックをとり、ごまかすように急ぎ足で更衣室をでた。
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