★
手首に皮の枷が巻かれる。それから脚首にも・・・黒服の男は無言でその作業を続ける。時々金具を止める音・・・それだけの静かな空間だった。そして、太い首輪が巻かれる・・・。髪の毛をあげてそれを待つ。首輪の金具が締められると、髪の毛を下ろす。わたしの心はなぜか落ち着いていた。全裸に手枷と足かせと首輪・・・これがわたしのMとしての花嫁衣裳・・・・。不意に目が塞がれる・・・アイマスクをつけられたのだ。真っ暗な世界が訪れる。それから、手枷の金具が止められ、両手がつながれた格好になる。それからカチャカチャと首輪の金具に鎖が通される音。
「さあ・・いくぞ・・・」
鎖を引かれる・・・。目が見えない不安におぼつかない足であるく・・・。でも、男はリードを引いてうまく誘導する。それから、ドアの開く音・・・そして少し明るい空間に招き入れられる。
「ごくろうさまです・・・・」
マスターの声・・・でも一人の気配ではない。もう一人の男に話しかけるマスター。でも男は返事をしない。
「吊りましょうか・・・品定めしやすいように・・・」
わたしを連れてきた男がいう。
「あぁ・・・・」
わたしのご主人さまの言葉。かすれた低い声・・・年齢もわからない・・・もっと話して。その間に両手が上に上げられどこかに掛けられる。伸びる体・・・それから足枷の金具に何かを掛けられる。片足づつ・・・足を開いたまま動かせなくなる。
「こんな感じでいいですか?」
「いいよな・・・」
マスターがご主人さまに問いかける。
「それでは失礼します・・・・お楽しみください・・・」
黒服の男が部屋を出て行く音。もう、俎板の上の魚になったわたし・・・ドキドキが強くなる。さっきまで落ち着いてたのが嘘みたいに血液が身体をめぐり始める。
「俺も失礼するよ・・・新しい奴隷がまってるんでね・・・すげえ美人なんだぜ・・・」
マスターの出て行くドアの音がする。これで2人きり・・・・。いきなり胸を撫でる手・・・。
「あっ・・・・」
身体を少しねじる・・・それくらいのことしか出来無い。
「いい格好だな・・・」
「えっ・・・・」
聞き覚えのある声だった。心臓がとまりそうなくらいびっくりする・・・。
「あっ・・・違うの・・あなた・・わたし・・・無理やりに・・」
同時にアイマスクが外される・・・。まぶしい視界のなかに主人の顔が見える。
「わかってる・・・・」
「えっ・・・・」
「僕がマスターに頼んだんだから・・・」
「どうして?」
涙が湧いてくる。
「美奈子を失いたくなかったから・・・」
「あぁ・・・・」
「もうこれしか考えつかなかった・・・」
ぽつりぽつりと言う彼の言葉・・・それが彼の言葉が真実であることを物語っていた。
「それに・・・本当は美奈子のことをこうしたかった・・・いつも美奈子を抱きながら・・・美奈子を縛ったり鞭打ったり・・・そんな妄想をしていた・・・」
「あなた・・・・」
「僕が全部引き受けてやる・・・そして一緒に地獄にでもなんでも落ちてやる・・・だから・・・」
「はい・・・奴隷になります・・・あなたの・・・・」
なんかとんでもない言葉が口にでる。自分でもびっくりするくらい・・・。
「あぁ・・・・奴隷にしてやる・・・・」
彼は息苦しいほど強くわたしを抱きしめた・・・それから奪うように唇を重ねた。その情熱に酔うようにわたしも舌を絡めていた。
★
もう縄は解かれてわたしたちは大きなベットの上で揺れていた。彼の突き上げが別人のように荒々しい・・・・そして見下ろす彼は前よりももっと優しい感じがする。時々目をあけて目があうと・・・そっと唇を重ねてくる。それに、感じきった身体は膣壁全体が神経剥き出しになったように快感を送ってくる。
「あぁん・・・好き・・・もっと・・・・」
「綺麗だよ・・・美奈子・・・・」
わたしも別人のように映っているんだろう。あの後・・・いろいろな調教を受けた・・・。宴会では入れられなかったおしりまで開発された。鞭も受けた。それから蝋燭・・・洗濯バサミ・・・・あそこの毛までそり落とされた・・・・。でもすべての調教をわたしの身体は素直に受け入れた。いままで好きだったけど・・・優柔不断に見えた彼・・・草食動物の皮をかぶっていただけ・・・その彼が肉食動物のようにわたしを奪う。それに身体を委ねることですごく安心してしまう。
「あっ・・・あっ・・・ご主人さま・・・・」
彼のことを呼んだだけで痺れるみたいになる。もう意識が飛びそうに気持ちいい。そのわたしの身体に答えるように身体の中に熱いものが迸った。
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