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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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プロローグ

「おはよ、有里っ。」
後ろからぽんって肩を叩かれる。そして、後ろを振り返ると麻美先輩が微笑んでいた。後ろできちっと束ねた髪、後れ毛一本ないって感じ。それに、ベージュのスーツ。本当に隙がない。私は髪型きまらなくてブルーなのに・・・・。さすが、麻美先輩って思う。
「おはようございます。川嶋先輩。」
私は照れながらあいさつを返す。なぜって?うん、それはねっ。
私が麻美先輩に憧れているから・・・・。
「有里・・・遅れるよ。」
私は先輩の後ろを早足で歩く。先輩のスピードって速いよ。165?と152?の歩幅の違い?それから、何を話していいかわからない。すごく好きな人と2人きりってすごくドキドキしてしまう。そして・・・・いつも、その空気から逃げてしまう。でも、この空白ってつらいよ。本当は話したいこといっぱいあるのに・・・。
「わたし・・・お茶買って行きます。」
私は会社のそばのコンビニの前まで来ると、無言の空間を破る。
「あっ。そう。」
先輩は無表情な声でそういうと、会社の方に歩き出す。私はチラチラと何度も振り返りながら、コンビニに飛び込んだ。先輩の背中は一度も振り返ることもなくだんだん小さくなっていく。わたしは小さなため息をつく。その白いため息はすぐに空間に消えていった。

 会社につくとあわてて着替えて席につく。
「遅いよ。有里。」
「ごめんなさい・・・」ちいさく舌を出す。先輩はやさしく私を睨んでいる。そして、すぐにノートパソコンに目を移す。
「昨日の見積もり出来てる?」
「はい・・・先輩・・・メールで送ってます。」
「あ・・・ホント・・・アリガト・・・」
 先輩の目は真剣な目に変わっていく。完全にビジネスモードだ。その麻美先輩がかっこいい。私も本当は彼氏とかいたけど、麻美先輩から比べるとすごく頼りなく思えた。今は、誰ともつきあっていない。
「あ・・・有里・・・この家具ちがうよ・・・304Mって指定してあったよね。」
「ごめんなさい。すぐにやり直します。」
 私たちは中堅の家具商社に勤めていた。オフィスとか豪邸にヨーロッパの家具を営業するのだ。時には家ごとトータルにコーディネイトすることもあった。そして、営業成績トップはいつも麻美先輩。麻美先輩のコーディネイトはセンスがあって、すごく評判がよかった。そしてそのアシスタントが私、伊本有里だ。短大を卒業して1年目。でも、先輩をフォローするどころかフォローされる毎日。私も昨日の見積もりを開いて先輩にいわれたところを修正する。これが私の日常だった。でも・・・この日常に淫靡な異次元が口を開いているとはこの時の私には想像できなかった。

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