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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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 お風呂から上がった私は、鏡の前の椅子に座らされる。男湯だというのに、端の一角だけ女性用の化粧道具が並べられている。さながら、美容室のような一角。そこにはわたしの化粧ポーチも用意されていた。
「今日は宴会だ。綺麗にしておくんだぞ。」
 マスターが言う。陵辱されるために、自分を飾る。わたしを弄ぶものを喜ばせるために・・・。切ない気分になりながら、半分乾かした髪の毛をピンで止める。それから、クリームを顔につけ延ばし始める。内から外へと丁寧にまんべんなく。それから・・・リキッドファンデーションをのばすようにして塗っていく。普段よりも濃く。いつもの自分を隠すように・・ペンでアイラインを整え・・・シャドーをつける・・・自分のものでなくそこに用意してあったもの・・・最近つけたことのない派手なブルー・・・そう・・・自分じゃないなにかに変身したかった。最後に唇・・・・真紅の紅を筆で丁寧に塗る。まるで、娼婦のようにつややかに光る唇が完成する。でも、鏡の中のわたしの表情は暗い翳がおりているよう・・・・。そして、ピンをはずすと・・・髪の毛が落ちる。明るい色の鎖骨までのレングス・・・前上がりのレイヤーに逆らわないようにブラシとドライヤーで整えていく・・・・。ドライヤーの暖かい風が心地よく首筋を撫でる。一時、その暖かさに身を任せる。もう、髪の毛は出来ているのに、ゆっくりとドライヤーを当てる。
「はやくしろ!」
 マスターが後ろから怒鳴る。その声に自分に返って、ドライヤーを置く。それから、あわてて化粧台の上の首輪をつけ、立ち上がって振り向く。
「フフ・・・」
 マスターが、私を見る。顔、身体・・・。そして、満足そうに微笑む。もちろん、恋人をみるような優しい目ではなくて、商品を鑑定するような目。その、冷たい視線に身体が震える。
「あらためてみると・・・なかなかの上物だな。みんな・・・喜んでくれるぞ・・・」
 マスターの言葉をじっと聴いている。そう、口紅を塗ったときから、思ってた。人形になろうって・・・・。感情を無くして・・・ただ男の人にあやつられるままに。そうでないと、これからのことを考えると耐えられない。こんな、家畜みたいな暮らしがいつまで続くかわからない・・・・。
「さあ、行くぞ!」
 マスターが後ろを向く。その、背中に向かってゆっくりと歩き出す。そう、そこでどんなことが待ってるのかわからない。でも、最低限・・・身体が弄ばれるのはわかっている。幸せな想像なんて、できない。わたしは次から次へと生じてくる悲惨な結末を頭から打ち消しながら、マスターの後を付き従って歩いた。でも・・・同時に何故か・・身体が熱くなるのも感じていた。人形であろうとする私を嘲笑うかのように・・・・。

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