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闇縄悪夢

Author:闇縄悪夢
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 はじめまして、闇縄★悪夢です。  DTIブログでSM小説を書いていましたが、ブログサービスをやめるらしいので、お引越ししてきました。  ちょっとスランプ気味なんですが、がんばって更新しますので、よろしくお願いします。
 
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12
 その時、異様な光景が突然目の前に現れた。ボンテージに身を包んだ女の人が入り口から入ってくる。その後ろに白髪の男・・・目の周りを覆う仮面をつけている。その男が女の後ろを鞭を持って歩いてくる。その進むところに道ができる。女の人はよろめくように歩く・・・その後ろから時々鞭が飛ぶ。異様なのは女の人の姿。髪の毛は剃られて坊主頭・・・それでも美人だとわかるくらいの顔立ちだけに異様な感じ・・・・それから胸を搾り出すようにする胸の開いたボンテージ・・・その胸の大きさ・・・細身の身体からいっても異常な大きさだった。それから、その乳首は変形している・・・その痛々しい乳首に大きなピアスのわっかがついている。そして、体中を覆う刺青・・・・。鼻にはフックがかけられ、口にはボールギャグ・・・・。太い鎖でつながれた足・・・ジャラジャラという金属音。そして、2人は私たちの方へ歩いてくる。私は目を逸らす。
「久しぶりですね・・・真由美さん・・・・」
 男の低い声が真由美さんにかけられる。震え上がるような低い声・・・・・。
「そうですね・・・あまりお見えにならなかったわね・・・・」
 真由美さんの知り合いなの?
「そろそろ・・私の奴隷になる決心はついたかね・・・」
「わたしは山根さんのSMは認めません・・・」
「フフ・・・」
 男は悪びれずに笑う。
「そろそろ・・・この奴隷にも飽きてきたところでね・・新しいのを探しにきたんだが・・・・」
「聡子さん・・でしたわね・・・この前とだいぶ変わられたようですね・・・」
「フフ・・・豊乳手術を受けさせたんだが・・・・」
 そんな・・・肉体まで改造されるの?
「どっちにしても平行線ですね・・・私たち・・・・」
「そうだな・・しかし・・・最近はここもおかしくなったな・・・それがわたしが来ない理由だ・・・」
「おかしい?べつに普通ですわ。」
「昔はマゾ女に口答えする権利なんかなかったんだがな・・・・」
「・・・・・」
「そう・・・マゾ女は男を喜ばせるためだけに存在するんだ・・・」
「いろいろなSMがありますわ・・・別に否定はしません・・・」
「まあ・・・ここでSM談義をしてもしょうがないですね。今日は公開調教があると聞いたんだが・・・・拝見させてもらいましょうか。どれだけここのSMのレベルが落ちているかね・・・・」
 真由美さんは山根という男から目を逸らす。そして興味がないように木崎さんの方に向いて飲みはじめる。山根はわたしの方に目をやる。震え上がりそうな視線・・・・。
「フフ・・・美佳さんだったね・・・楽しみにしているよ・・・こんなかわいいお嬢さんがわれわれを満足させてくれるのかな・・・
「我々・・・・」
 大和さんの後ろに隠れるようにして不思議そうな目を向ける・・・。
「そう・・・わたしも理事のひとりだからね・・・・」
「えっ・・・・・」
「フフ・・・厳しく採点させてもらうよ・・・」
「あぁ・・・・・」
「そうそう・・・もし我々が認めなかったらどうなるか聞いてるかね・・・・」
 首を横に振るわたし・・・・。
「美佳さんはフリーとなる・・・そしてフリーの女はオークションにかけられる・・・・それがここのルールだ・・・」
「えっ・・・そんな・・・・」
「ここ5年くらいは形だけのショーだったみたいだがね・・・今日もそうとは限らない・・・・まあがんばるんだな・・・」
「あぁ・・・・・」
 恐怖に震えるわたしに背を向けて山根はまた聡子さんを追い立てるようにして、向こうに歩いていった。わたしはぎゅっと大和さんをつかむ・・・大和さんは大丈夫っていうようにわたしの肩を抱いた。

 その場は嵐が去った後のようになる・・・それくらいの存在感・・・・。真由美さんの存在感とはまた違った種類の・・・そう陰と陽・・・・真由美さんの暖かさと山根の凍えるような冷たさ・・・・。やっぱ、やめといたほうがいいの?
「ごめんなさい・・・美佳さん・・・あんな人が来るなんておもわなかったの・・・・」
 真由美さんが口を開く。
「えっ・・・はい・・・・」
「あの人のいってたことは本当ですか?」
 大和さんが割り込む・・・。
「ええ・・・本当よ・・・・でもいつもは形だけなの・・・・女性が嫌がってるかどうか見るだけなの・・・・」
「そういうルールですか?」
「いつもはね・・・でも・・・決定は理事に任されてる・・・・」
「・・・・やっぱ・・・・やめようか?」
 心配そうに大和さんが言う・・・・わたしもそのほうがいいと思う・・・・今日だけじゃないもん・・・・。真由美さんを見る・・・真由美さんは目を反らして首を横に振る。えっ・・・どうして???
「だめなの・・・エントリーしちゃったから・・・・」
「でも・・・・・」
「いまさら・・・・キャンセルできないの・・・・エントリーがあると理事に連絡がいくの・・・それを目当てにくる人もいるから・・・たぶん山根もそう・・・・わたしの推薦だから嫌がらせをしに来たのかも・・・・」
「そんな・・・・・」
 聡子さんみたいになる自分を想像する・・・それだけで泣きそうになる・・・・。
「でも・・・大丈夫ですよね・・・5年くらい認められなかったってないって言ってましたよね・・・・」
 大和さんがきゅっとわたしの肩を抱いて言う。指先に力を入れる・・・わたしの肩を強い力で握り締める。恐ろしい想像から我に返るわたし・・・大和さんを不安そうに見つめる。
「山根ってここの創立メンバーですごく影響力あるの・・・・」
「・・・・・・」
 無言になるわたしと大和さん・・・・。その後ろから明るい声・・・・。
「さっきから聞いてたけど・・・やるっきゃないじゃん・・・・」
 いつの間にか聖さんが後ろに立っている。
「大丈夫・・・・真由美さんと俺がいるし・・・・」
 ポンと二人の背中を叩く。
「そうだな・・・聖・・・・」
 大和さんの顔に笑みが戻る。やっぱ大和さんって聖さんがいないとダメなのかな。そう思うとなんか笑えてくる。
「じゃあ・・・美佳さんは大和のすることに素直に感じてればいいから・・・・」
 聖さんが私に微笑む。なんか聖さんがいると勇気がわいてくる。
「そろそろですよ・・・・」
「いこうか・・・・」
 黒服の男の無表情な声に大和さんは立ち上がり、わたしの手をとって外国の騎士のように手の甲にキスをした。

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